My Redmineとはオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェア「Redmine」をクラウド上でご利用できるサービスです。
住友重機械工業株式会社のご利用事例を紹介します。
インフラ開発のプロジェクト管理システムをMy Redmineに移行
運用のコスト削減&効率化を実現
住友重機械工業株式会社ICT本部ICTインフラ戦略グループクラウドプラットフォームチームの皆様
住友グループの機械メーカーとして、造船や各種製造装置、精密機械など、最先端のメカトロニクス分野でグローバル展開する住友重機械工業株式会社様。
同社はインフラ開発のプロジェクト管理で使っていたオンプレ版のRedmineをクラウドで利用できるMy Redmineに移行し、運用のコスト削減や効率化を実現しました。My Redmineを採用した理由や導入後の効果について、同社ICT本部ICTインフラ戦略グループクラウドプラットフォームチームの風間晋吾様、後藤邦生様、牧井靖由様のお三方に伺いました。
(風間様)当社のインフラ開発は「ICT本部インフラ戦略グループ」が担っており、クラウドプラットフォームチーム、クライアントデバイスチーム、ネットワークチーム、セキュリティチームの4チームが連携しながら担当領域の開発や保守を進めています。
そのなかで、プロジェクト管理の手段として2015年頃からオンプレ版のRedmineを使ってきました。RedmineはToDo管理がしやすく、業務に定着していましたが、その一方でOSのサポート期限切れ対応やパフォーマンスの維持など、サーバ管理の面で手間がかかってしまうというオンプレならではの課題もありました。
また、SAP開発では外部ベンダー様の力も借りているため、ToDo管理もリモートでアクセスできる仕組みが理想的です。オンプレ版のRedmineはセキュリティの観点で外部公開していなかったため、外部ベンダー様専用のリモート環境を用意し、そこからRedmineにアクセスさせるという手間とコストが生じていました。
風間様
(牧井様)プロジェクト管理システムの刷新にあたり、サーバ管理から解放され、バージョンアップ不要で常に最新機能が利用可能なSaaSに切り替えることが前提条件でした。そのうえでMy Redmineを選んだ理由は、まずオンプレ版の時点で使い慣れていたということ。使用感については利用者からの評価が非常に高く「これを機に他社のシステムに乗り換えたい」という考えは特にありませんでした。
My Redmineなら、使用していたプラグインが継続利用できるというメリットもありました。また、オンプレ版の運用では高額なサーバ費用が発生していたのですが、ランニングコストが抑えられるのも魅力でした。もうひとつMy Redmineを採用した決め手として、リモート環境での利便性を考えたとき、SAML認証機能を利用できるところもポイントでした(My RedmineのエンタープライズプランでSAML認証機能を提供)。セキュリティを担保しながらも、社外からのアクセスが容易になることを期待しました。
後藤様
(後藤様)オプションの「別環境Redmineからのデータ移行」サービスを2回活用したことで、とてもスムーズに移行できました。これは、RedmineからMy Redmineへの移行をファーエンドテクノロジーが実施してくれるサービス。こちらを活用して、本番移行前にしっかり検証ができました。バックアップの取得やデータ移行後のSAML認証設定などは当社側の対応範囲でしたが、肝心のデータ移行を任せられるのはとても安心感があり、移行作業の工数も抑えられました。
テスト移行では移行時間の計測や、実運用を想定したプラグインの動作確認、SAML認証の手順確認などを試すことができ、不安や懸念点を解消できました。また、テスト運用中、利用者全員に1ヵ月ほどテストアカウントを解放できたことも良かったです。自由に使い、ログイン方法や操作感、画面の見え方などを確認できました。
(牧井様)テスト運用中に社内からあがった要望をファーエンドテクノロジーにフィードバックしましたが、サポートチームのレスポンスが非常に早かったことも印象に残っています。各種調整や問い合わせに対して、必要な情報を的確に回答してもらえました。
全体のスケジュールとしては、2023年7月にMy Redmineへの移行に向けた検討をはじめ、オンライン相談会を利用して課題を相談、8月に入る前にテスト移行を実施。検証期間を経て9月25日に本番移行完了と、非常にスピーディーに導入できました。
(風間様)現在、アクティブユーザとして約130アカウントが、SAP開発プロジェクトのTo Do管理にMy Redmineを使っています。プロジェクトごとにチケットを発行して開発のタスクを管理し、完了したチケットはその後アーカイブとして活用しています。
プロジェクトに関わる開発担当者が毎日使用するシステムとして、SAML認証により、ログインする際のユーザ・パスワードの入力が不要になったことは大きなポイントです。セキュリティが確保されたクラウド環境への移行により、外部ベンダー様も従来使っていたリモート環境からのアクセスではなく、直接ログインすることが可能となりました。
(後藤様)My Redmineに移行したことで、オンプレサーバの管理から解放され、運用コストの削減に繋がりました。加えて、ファーエンドテクノロジーのサポートが受けられることも非常に助かっています。これまでは外部ベンダー様からRedmine関連のさまざまな問い合わせが入り、その度に調査・回答していましたが、すべてサポートデスクで受けてもらえるようになり、運用不可が低減しました。
(牧井様)My Redmineに移行後、Redmineが最新バージョンになり、またテーマも新しくなったことで、現場からは「コメントの更新履歴が見やすくなった」「チケット画面のデザインにメリハリがあって見やすくなった」など、好評の声があがっています。
また、以前はサーバの利用料を毎月支払っていましたが、My Redmineは半年ごとの支払いも選べるので処理が楽になりました。費用としても、以前のサーバは月額利用料が約8万円だったのに対し、My Redmineのエンタープライズ版は月額28,000円(税別)と、月額で約5万円のコスト削減に繋がりました。牧井様
(後藤様)短期間で移行でき、大きな問題が起きなかったことが最大の成果だったと捉えています。開発対象のSAPは当社事業の運用にも組み込まれているので、些細な障害も許されません。ファーエンドテクノロジーの手厚いサポートにより、テスト環境の段階で必要な対応を把握し、万全な準備ができたため、本番移行後のトラブルは0件でした。オンプレのRedmineをクラウドに移行することを検討されている企業には、おすすめできますね。
今後ですが、他のチームではまだオンプレ環境のRedmineを使用しているところもありますので、My Redmineの横展開を検討していきたいです。