My Redmineとはオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェア「Redmine」をクラウド上でご利用できるサービスです。
丸紅ITソリューションズ株式会社様のご利用事例を紹介します。
オンプレミスのRedmineからMy Redmineへ移行。レスポンスの悩みを解消
メンテナンスフリーで最新バージョンに追従できる
丸紅ITソリューションズ株式会社様は、情報・通信システムの企画、設計、ソフトウェアの開発、SaaSやソリューション・サービスの提供を行われています。Box事業では、クラウドベースのコンテンツ管理プラットフォームBoxのプレミアパートナー(一次代理店)としてBoxを利用する日本企業が直面する大小様々なBox運用課題を自社開発のBoxエコソリューションを用いながら解決されています。
My Redmineのご利用について経営管理部の石塚様とIT基盤事業本部の笹原様にお話を伺いました。
元々Excelを使って課題の管理をしていましたが、2016年にオンプレミスのRedmineを導入しました。
Redmine導入以前、我々の所属するIT基盤事業本部では毎週『問題管理』と『課題管理』の打ち合わせをしており、問題や障害が起きると、『障害報告書』をExcelで作成し、さらにそれを別Excelの『障害進捗表』に単票をまとめる作業を1人1人がやっていました。しかし、報告の精度に差が出てしまい、それを取りまとめるために毎週打ち合わせをしていました。次第にまとめる進行役の方が毎週打ち合わせのために徹夜するような状態になっていました。進行役の方がもう限界だということで、チケット化できるツールを入れたいという相談を私(石塚)に頂きました。
依頼をいただいた瞬間、様々なことに利用したいという考えがあり「マルチプロジェクトに対応したツールを使いたい」と思っていました。「Trac」というツールでやってくれと言われたのですが、マルチプロジェクトに対応していなかったため、Redmineを選択しました。Redmineはオープンソースであるためコスト面で有利だったということと、単純に私(石塚)がやりたかったということもあります。
他のツールとの比較も行いましたが、Redmineは日本語の情報も非常に多く、日本語のコミュニティもしっかりしていて、情報も豊富でした。ソフトウェアも非常にクオリティが高く、信頼性も高いと思ったからです。また、書籍が出ていたり、スライドシェアなどで様々な勉強会の資料も公開されたりしていたので、そこが一番の決め手だったと思います。
お恥ずかしい話ですが、IT企業ではあるものの、新しいITや仕組みに対して、耐性を持ってる人が思ったよりも多くありませんでした。普段使い慣れてるExcelから新しいシステムに移行することには抵抗があって、上層部に行くほど「それ(Redmine)大丈夫なの?」という疑問を持たれていました。
当時はタスク管理も出来ないようなひどいレベルで、何とか打破したいというのがあり、おしりに火がついた状態でやっていました。どんどんやっていこうということで、まずは3回くらい説明会を開きました。「ここにチケット上げてください。チケットは必ずルールがあるので、こういったルールを守ってあげてくださいね。カスタムクエリを作って、議題まとめる人はここのクエリを追ってみてください。こういった情報が欲しいよ、エクセルが欲しいよだけだったら俺にまた言ってください」といった感じで、使う方々にRedmineの操作はほとんどボタン一発で済む位のレベルで説明をしていきました。
Redmine導入後の同僚の評判はよく「全然違いますよ。こっちの方が絶対いいです。」と言った感想を多く頂きました。そのような声が社内でRedmineが浸透するのにすごく効いたとは思っています。結果、Redmineがぴったりはまり管理が非常に改善されました。Redmineを導入したことは弊社にとってかなりプラスになったと思います。上層部でも認めていただけて「Redmineなしではできないね」という状態にまで持っていけました。
やり方が変わるというところで、最初はとっつきづらかったのを覚えています。ただ、使っていけば使っていくほどRedmineの良さがわかってきました。時間が経つにつれ、使う範囲がどんどん広くなり、案件管理や、各チームの案件管理、全体の案件管理など各チームの課題管理や保守管理など用途が広がっていきました。誰がここを更新しましたという履歴もあって証跡も残りますし、ロールの制御によって誰かが勝手に更新するということも出来なくするなど、すごくうまくできてるなと思いました。自分たちでRedmineを承認システム用に使う、また作ることができるというところは本当にすごいなと思います。今やってることをExcelでは管理できないと思いますのでRedmineは素晴らしいツールと思っています。
IT基盤事業本部 笹原様
オンプレミスの保守サーバー終了期限が迫っており、移行先を探していた時、石塚から「My Redmineというクラウドサービスがいいよ。」と話しがありました。石塚はシステム設定や運用でRedmineのイベント等に参加した経験があり、使い勝手の良さを感じていたので「My Redmine一択だから。ここ以外は絶対だめ」と確信を持って勧めてくれました。弊社でサーバーを立てて構築・運用しようという話もあったのですが、時間も迫っているし対応できる技術者もいなかったので、クラウドサービスのMy Redmineを導入することに決めました。
My Redmineへの移行は、事前にMy Redmineのオプションサービスである「既存データ移行サービス」を利用してテストのデータ移行をしました。移行ができてちゃんと使えるというところも確認してMy Redmineへ移行できました。移行は自分達でやるとなったら大変だろうなと思いますが、それやってもらったのは効果的でした。
私たちはRedmineをプロジェクト管理ツールではなく、あくまでも業務改善のツールだと思っています。
プロジェクト管理という使い方ではなく、困ったことを積み重ねていく業務改善のツールとして使っています。定例作業、非定例作業、案件管理、契約の管理、支払いなど、とにかく多岐にわたる会社の業務で困る種類に合わせて、トラッカーを1個ずつ作っています。ステータスはトラッカーの数だけ増えるため、似たような文字がたくさん並ぶので、区分けでわかるように固めておいたり、特定のプロダクトでしか使わないものはなるべくまとめるようにしています。
また、プロジェクトの作成権限を絞って、プロジェクトが必要な際は私、石塚の方で用意するようにしています。プロジェクトはヒアリング内容やその背景だったり、社内とどのようにインフラ化のための用意すればいいのか、ステータスを用意すればいいのかを考えて作り込んでいます。Redmineでは実現が難しいものが絶対あると思っていて、そこの判断をするためにも、1回話を聞いて設定しています。まずは形にしてみて、うまくいかなかったら見直してというように、最速で形にできるのがRedmineの良いところです。
Redmineはやはり自分たちの力で、自分たちの手で入力項目を自由にカスタマイズできるところが非常に素晴らしいと思っています。よくあるような入力システムだと、この項目がない、この項目がないからこういう情報が入れられないということがありますが、項目の追加や変更などの自由な設計ができるのが良いですね。まずは形にしてみて、ダメだったら見直せばいいと思うんです。
経営管理部 石塚様
現在のMy Redmineのユーザーは760人です。今年から経営管理部も使い始めたので、ほぼ全ての部署が使い始めたと思っています。例えば、私(笹原)が所属している部門から石塚がいる管理部門に対して、請求書の支払いなどを依頼していますが、そういうのもすべてRedmine経由で依頼しています。
この部門では依頼されたチケットがどんどん飛んできて、事務の担当者十数人でそれをさばいています。もともとはメールとかチャットとかでやっていましたが、あまりにも数が多くて、誰がどこまでやったかわからないとか、誰も休めないという課題があったのです。当部門への依頼にはRedmineを使うことにして、みんなにチケットにしてほしいという説明をして運用を開始しました。そうしたところ年間1万、2万チケットと余裕でいくという状態になってしまいました。Redmineによって業務を顕在化することができて「すげぇ頑張ったじゃん!みんな!」っていうのが分かったんです。
オンプレミス時代の多くの悩みが解消できました。メンテナンスフリーで最新バージョンに追従できる点があったので、堅実なアップデートの恩恵を得られるのが最大の利点でした。My Redmineのベースとなっている RedMica(ファーエンドテクノロジー版Redmine)は、利用者が全く意識することなく、これまでのRedmineと同様に安定に使えているのも良かったです。
オンプレミスで運用していたときはレスポンスに困る場面もありましたが、My Redmineに移行してからはほぼ困ることはなくなりました。オンプレミスの時、2コアで運用していて誰かが検索したら、もう1個しかコア残ってないので2人連続して長いカスタムクエリを使用すると待つことが結構ありました。進捗会議などで各自パソコンを開き進捗を見る時は、CPUがすごく上がっているなと結構ヒヤヒヤしながら待つこともありました。My Redmineに移行してからはそういうことを感じないなと思っています。オンプレミスのときより早く感じますね。