My Redmineとはオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェア「Redmine」をクラウド上でご利用できるサービスです。
ローレルバンクマシン株式会社のご利用事例を紹介します。
海外代理店のサポートでMy Redmineを採用
導入後「2営業日以内に対応着手90%」の目標を達成
ローレルバンクマシン株式会社 吉田様
通貨処理機専門メーカーとして、現金処理機・計算機や現金処理システムなどの製品を世界規模で展開するローレルバンクマシン株式会社様。
通貨処理機の製造で培った高度な技術を活かし、 昨今では業務サポートシステムの提供やDXの推進サポートにも範囲を拡大しトータルソリューションビジネスを展開しています。
同社は海外の販売代理店のサポートで業務効率化を目的として2021年にMy Redmineを導入しました。文化の異なる複数の海外代理店を相手にするサポート業務の特徴や、そのなかで生じたプロジェクト管理の課題、そしてMy Redmineを採用した理由や導入後の効果について、同社海外事業部海外技術支援課課長の吉田賢貴様にお話を伺いました。
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海外事業部海外技術支援課課長 吉田賢貴様
以前は、海外全71拠点の販売代理店さまとのやりとりをメールで行っていました。代理店担当者さま、約200名に対して弊社サポートチームのメンバーは5名。限られた人員数で技術指導から保守支援まで、幅広くサポートしています。
年度により変動はありますが、年間約300件程度の問い合わせをメールで対応しています。そのため代理店担当者さまとサポート担当者との個人間のやりとりになり、業務が属人化してしまうという課題がありました。初動では問い合わせに対してCCに他のサポートメンバーのアドレスを含めてメール送信することをルール化していましたが、国ごとのビジネス文化の違いによるものなのか、CCのアドレスを外して返信してくる代理店担当者さまも少なくありません。
やりとりが外から見えないと、サポートメンバー一人ひとりがどれくらいタスクを抱えていて、どれくらい処理できているのかが把握できません。何かあったときの引継ぎもできないなど、管理のしづらさを感じていました。その結果、気付かないうちに担当者がひっ迫し問い合わせ対応の着手や完了にも時間がかかるなど、サポート品質にも悪影響を及ぼす原因になっていました。
業務の可視化を図るためにExcelの管理表でタスクを一覧化していましたが、案件ごとの進捗状況が細かく分かるまでの作り込みはしておらず、入力漏れも発生しやすいなど、実用性に欠けていましたね。また、過去の案件がノウハウとして蓄積がされないことも惜しいと感じていました。
このような課題解決のためにプロジェクト管理システムの導入を検討しました。クラウドに限らずオンプレミスも選択肢に挙がりましたが、以前、社内のサーバーがクラッシュしてしまったという苦い経験があったため、管理がしやすくコストパフォーマンスの優れたクラウドを使う方針で話が進みました。
My Redmineを含め3つのクラウドサービスを多角的に比較検討した結果、機能性・操作性・コストパフォーマンスの3点で最もバランスが取れていたMy Redmineの採用を決めました。以前海外の販売代理店から受けた「Redmineでやり取りしたい」という話から既にRedmineを認知していたことも理由のひとつですね。
My Redmineの導入に向けて作成したのが、部内向けのチケットやトラッカーの設定などの主要な操作の方法を解説した説明書です。ファーエンドテクノロジーからもらった小冊子の資料とともに部内に回覧することで、基礎的な使い方を周知することができました。また、My Redmineの導入に際しては、当然、代理店さまからの了承も得る必要があるため、My Redmineを使うことでどれくらい問い合わせがしやすくなるのかメリットを解説した資料を作成し、順次やりとりの多い代理店さまから同意を得たうえで、段階的にメールからMy Redmineへと移行していきました。
まず、My Redmineを導入したことで、一つひとつの問い合わせをチケットとしてサポートチーム全員で共有・管理できるようになり、業務の属人化を解消できました。チケット番号で案件ごとの管理が容易にでき、キーワード検索の機能で特定の案件を探し出すのも簡単です。
また、My Redmineはチケットなどに独自の項目をカスタムフィールドとして追加できるところもいいですね。弊社ではカスタムフィールドで商品名やシリアルナンバーなどを問い合わせの必須入力項目に設定しています。問い合わせ内容の入力の抜け漏れがなくなり、管理性がさらに向上しました。管理者である私の立場としては、My Redmineでサポートチーム全体の案件数や、どの案件がどんなところでスタックしているのかが分かるようになったため、早めにフォローができるようになりました。
代理店ごとにプロジェクトを作成しているのですが、My Redmineは多言語対応していて各代理店の言語をほとんどカバーしており、現地の言語でメニュー表示できるのも大きな利点です。
2021年の導入時、効果を図るために「2営業日以内に対応着手90%」という高い目標を設定しましたが、My Redmineの運用を開始してまもなく達成できました。また、一件一件の問い合わせを着手してから解決するまでの時間も、肌感として3〜4割と大幅に短くできたと感じています。My Redmineの導入は、サポート品質の向上に大きく貢献したと思いますね。
問い合わせ時に確認したい項目を
カスタムフィールドで追加
サポートチームでは、今後はMy Redmineで受けた問い合わせの対応内容をノウハウとしてwikiに蓄積し、他の代理店さまにも水平展開することで問題の自己解決につなげていきたいです。
My Redmineの運用がサポートチームのなかで浸透してから、製品の開発プロジェクトでもMy Redmineのガントチャートを使うなど社内でも活用シーンが広がっています。さらに海外事業部内のKPIやKGIの管理をMy Redmineで行おうという構想もあります。My Redmineは多様な機能を備えた自由度の高いサービスで使い方は無限大。まだまだいろいろな使い方ができそうです。
また、導入に際してはファーエンドテクノロジーのサポートも大きかったと感じています。こちらから問い合わせをすると的確かつ迅速に回答してもらえるのでとても満足しており、我々も代理店さまをサポートする立場として参考にさせてもらっています。これからMy Redmineをさらに有効活用し、サポート品質の向上や業務効率化を推進していくために、ファーエンドテクノロジーには引き続き変わらぬ支援を期待しています。