My Redmineとはオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェア「Redmine」をクラウド上でご利用できるサービスです。
株式会社ジュッポーワークス様のご利用事例を紹介します。
オンプレミスの環境からクラウドサービスへ移行
MyRedmineで開発テストの状況を見える化し、お客様と共有
株式会社ジュッポーワークス 取締役 ソリューション開発部長 永井様
株式会社ジュッポーワークス様は、1994年に創業し、ITソリューションを提供している会社です。中核事業であるFileMakerプラットフォームを用いたカスタムAppを1997年より提供しています。また、ファイルメーカー社が認定するFileMaker Business Alliance(FBA)の中でも日本国内では5社しかないPlatinumに認定されています。
その実績も非常に多く、医療・サービス・流通・製造・食品など多岐に渡っています。
FileMakerプラットフォームの開発現場にプロジェクト管理の「My Redmine」を導入した、取締役ソリューション開発部長の永井様にお話を伺いました。
当社は、主にFileMakerプラットフォームを用いたソリューションビジネスを提供しています。私自身は、お客様と打ち合わせをしたり、受注した案件の開発管理を行っています。その他、FileMaker Proのトレーニング講師を務めたり、イベントのスピーカーやワークショップのファシリテーターなどをすることもあります。
FileMaker Proは柔軟な開発ができるデータベースソフトウェアで、世界中で利用されていますが、日本での導入が多く、世界全体のライセンス数のうち、日本だけで全体の25%を占めていると言われています。
また、その特性は大規模なエンタープライズ向けではなく、部門単位での利用に適しています。全社的に運用できる大規模なデータベースも設計できるのですが、利用に向いているのは中小規模でのご利用です。
業種としては医療系での導入が多く、診療科単位でのお問い合わせが多いです。ライセンスの約20%が医療関係で利用されていると言われています。
まず、FileMakerプラットフォームを用いた開発について説明します。仕様等によっても異なりますが、基本的に中規模クラスまでの案件であれば、担当する開発者は1名です。協業作業は基本的になく、開発者とお客様と1対1でのやりとりになります。
開発は、GUIの画面でテーブルなどを定義したり、検索のボタンを配置することでシステムができあがっていきます。言語系に比べると、一発目のプロトタイプをお客様に提示するまでが早いと思います。
プロトタイプができると、お客様と画面を見ながら仕様を詰めていくという手法が多いです。作っては確認、作っては確認です。このようにFileMakerプラットフォームは、ユーザ視点で開発ができるのが特長です。
開発後、当然のことながらテストを実施しますが、そのテストをマネジメントするツールは使用していませんでした。
あるとき、大規模なプロジェクトを受注し、お客様から「社内でどういうテストをしているのかプロセスを見える化してほしい」という要望がありました。
そのときの当社の担当者が、サーバを調達し、オープンソースのRedmineをインストールをして、テストのマネジメントをすることにしました。お客様にもそのRedmineにアクセスしてもらい運用しました。
しかし、Redmineを立ち上げた担当者が退職することになり、案件を引き継ぐ必要が出てきました。Redmineには、チケットのほかwikiなどにも膨大な仕様を保存していました。
サーバ管理の問題もありましたので、Redmineをホスティングしている業者を探し、オンプレミスのRedmineのデータをクラウドサービスである「My Redmine」に移行することにしました。それが「My Redmine」を導入したきっかけです。
実は、導入当初は、引き継いだお客様の情報をアーカイブ(完了したプロジェクトを削除せずに残しておきたい場合、非表示にすること)するためだけに使用するつもりでした。
「My Redmine」の契約後、別のお客様の大規模なプロジェクトを受注しました。複数人で開発するため、お客様との情報共有の必要性を感じ、導入していた「My Redmine」を使っていくことにしました。
利用方法としては、プロジェクト全体のタスク管理ではなく、システムのレビューをお客様にお願いしたときに、動作の不具合や仕様の齟齬についてのフィードバックを「My Redmine」で新規にチケットを作成して頂くようにお願いしました。お客様で作成されたチケットを当社で対応し、再びお客様にフィードバックし、解決したものは終了していくという使い方です。
「My Redmine」での情報共有は、一つひとつのタスクが、お客様のご要望なのか、仕様の齟齬によるものかをお互いに判断できる材料としても役に立っています。
また、お客様と定期的に打ち合わせをすることが難しく、頻繁にやりとりする時間がとれない場合でもお客様のタイミングで「My Redmine」を操作をしてもらい、お客様からの報告を頂いてこちらが作業するフローは効率的で良いと感じています。
以前は表計算ソフトを使って課題を管理していましたが、機能の修正やレビュー後の修正のフィードバックをやりはじめたら、どちらが主体でどちらが更新したものなのかが分からなくなります。それぞれが更新してメールに添付していくと、情報も分散してしまい、どれがいったい最新版なのか分からなくなってきます。複数人で開発する大規模なプロジェクトについては、「My Redmine」を利用することで、情報を一元管理でき、履歴も明確になるので、お互いの進捗管理の手間が軽減されたと思います。
また、予定工数の管理ができるので便利だと思います。プロジェクトの期間が1年や2年に渡る長期のものを見積るのに、人の割り当てをしたり、フェーズごとに開発する機能を分割したりするときに、工数を見ながらスケジュールを作れるので重宝しています。
早く色々と使いたいなと思っているのが、実際のところです。例えばwikiの活用などは十分ではないと思っています。チケットやガントチャート以外の機能も駆使して、今後は、プロジェクト全体のタスク管理にも利用していく考えです。