My Redmineとはオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェア「Redmine」をクラウド上でご利用できるサービスです。
セントラル硝子株式会社様のご利用事例を紹介します。
エクセルによるプロジェクト管理の問題を解消
クラウドサービス「My Redmine」でスモールスタート!
セントラル硝子株式会社 情報システム部 阿波部長(左)、明石課長(中央)、ファーエンドテクノロジー株式会社 代表 前田(右)
セントラル硝子株式会社様は1936年にソーダ製品の生産販売する企業として設立されました。ガラス事業、ファインケミカル事業を経て、現在は「環境・エネルギー」の分野においても成長を続けられています。発展し続けるセントラル硝子様にお伺いいたしました。
情報システム部インフラグループ様では、セントラル硝子グループの生産管理システム以外のサーバや端末関係の基盤を整備されています。国内では、本社と宇部工場そして松阪工場に情報システム部の拠点があります。海外にも子会社や関連会社があり、今後は海外の情報システム部関係者も含めグローバルな連携を図られているところです。
本社を東京都におくセントラル硝子株式会社をお伺いし、明石巌様に「My Redmine」についてお聞きしました。
「My Redmine」を利用する以前のプロジェクト管理では、エクセルで工程管理や課題管理について管理していました。
プロジェクトは社外のメンバーも含め小さなものでは3名、大きなもので20名くらいで構成しています。部内のプロジェクト管理はファイルサーバでのファイル共有が可能でしたが、他社メンバーを含むプロジェクトにおいては、エクセルファイルの更新の度に、全てのメンバーにメール添付していました。巨大な添付ファイルを暗号化・パスワード付ZIPにして行う膨大なメールでのやり取りでプロジェクトメンバー全員が悲鳴を上げていました。
ファイル名にバージョンや日付をつけて更新していたのですが、しばしば最新版が重複したり、行方不明になったりすることがありました。WBS等のスケジュールなどもデグレードが発生したり、ファイルのバージョンが違っていることで、お互いの意思疎通ができないなどの事案が度々ありました。
当時は、エクセルで課題管理をすることを前提としていて、エクセルによるプロジェクト管理以外に方法がないと思っていました。問題は起きていたけど、問題と思っていなかった。「こんなこともあるよね。お互い気をつけよう」という感じでした。
最初に調べはじめたのは、WBS等について工数を自動で計算したり、ガントチャートを生成するものがないかなど現状よりもっとより良いエクセルベースのツールがないかと模索していました。調べていくうちにエクセルではなく、チケット駆動型のオープンソースソフトウェア(OSS)があることが分かり、チケット駆動型のOSSツールで管理する手法について調査を行いました。
しかし、OSSの稼働環境であるLinuxサーバの運用知識が乏しく、プレ導入で自部署にあったノートパソコンにLinuxをインストールして他のプロジェクト管理ツールのMantisを検証したりしていました。調査を進めていくと要望が膨らみ、ガントチャートが自動で作成されたり、進捗管理できたり、雷線の表示できるなど、機能的なもので良いものがないかと調べていたところプロジェクト管理ツールのRedmineがあることが分かりました。そして、SaaSで提供してくれるファーエンドテクノロジーのホスティングサービス「My Redmine」に辿り着きました。
エクセルで行ってきた管理がインターネット上でできるなら社外のメンバーとも情報共有がうまくいき、ファイルの行き違いなどの問題が解消できるのではと考えました。
導入時、クラウドサービスであるSaaSで管理する事に不安を訴えるメンバーもいましたが、セキュリティ対策がなされていることと、運用面で登録する内容に十分注意する事で管理出来ると説明し、社内で導入することにしました。
ホスティングサービスである「My Redmine」の導入後は、情報システムのメンバーは全員使っています。社外の担当者とも簡単に情報共有することができるので「My Redmine」の導入はメリットが大きいと感じています。導入してすぐというわけではありませんでしたが、導入に懐疑的だったメンバーにも良いと感じて頂けました。今では、何か事案があれば、Redmineで管理するようにと言われるまでになりました。
プロジェクトによってはシステム開発や課題の抽出のために経理や営業のメンバーが加わったり、社外の方もプロジェクトに加わっていることがあります。Redmineに詳しくないメンバーもいますが、直感的にわかるようにチケット画面を構成しているので問題なく使用できています。
ある程度の規模のプロジェクトについては、Redmineで管理することが多いのですが、プロジェクトを組んでいなくても、Redmineに登録して案件管理することも増えてきました。現在、年平均では、3,000~4,000件のチケットを発行しています。
標準項目以外にカスタムフィールドが容易に利用出来る点やロールによるアクセス権の設定が非常に有効的に活用しています。弊社では、一般ユーザがチケットやコメントを削除出来ない様に設定し、カスタム項目で遷移状態や履歴を管理しています。
状態遷移は、「ステータス」で管理できますが、標準フィールドで用意されている「ステータス」以外の文言を使いたい場合や、標準フィールドよりも上部に設置したい場合などは、標準フィールドで用意されているものであってもカスタムフィールドを使うことがあります。
例として、一部のサーバを社外のデータセンターに管理を委託しているのですが、特権IDの発行にRedmineを活用しています。
「一時保存」、「申請依頼」、「申請承認」、「依頼受領」、「作業完了」、「作業完了承認」の項目をチケットに、”状態遷移”というカスタムフィールドで用意しています。プロジェクトメンバーなら誰でもチケットを更新出来る状態ですが、チケットの削除やコメントの更新が出来ない様にアクセス権を設定しているので、状態遷移が履歴として残る仕組みにしています。各レベル(部長、G長、担当、協力会社、作業者等)はそれぞれの状態遷移の一覧をカスタムクエリで準備しており、必要に応じてカスタムクエリで自分が処理しなくてはならないチケットの確認をしてもらっています。
「My Redmine」は、コストパフォーマンスが優れている点が気に入っています。導入前、エクセルで運用できているところに、新たな投資を行うことについて、社内で承認を得ることは簡単ではないので、できるかぎりスモールスタートしたいと考えていました。OSSとはいえ、ノートパソコンにRedmineをインストールして実業務を行うことは現実的ではありません。バックアップ等も含め、ある程度信頼性を持って実行したかったので、比較的低価格でSaaSのサービスを利用できることは、とてもありがたいことです。また、社内で運用することを考えたとき、サーバを用意したり、協力会社がアクセスできるように設定する必要があります。実質、それらの運用に社内のリソースを利用しても「My Redmine」の月額料の8,000円では収まらないと思います。
MyRedmineのサービスの一つであるSubversionを上手く活用出来ていないのでもっと積極的に利用していきたいと思います。他社へ保守をお願いしている基幹システムのERPなどフォーマットや仕様書等をSubversionで運用出来れば差分も含めたバージョン管理が充実していくと思います。