My Redmineとはオープンソースのプロジェクト管理ソフトウェア「Redmine」をクラウド上でご利用できるサービスです。
株式会社穴吹工務店様のご利用事例を紹介します。
建設業の施工管理や進行管理でMy Redmineを活用
常時100近く進行する施工図や書類の作成時のミスが激減
国内の幅広い地域でマンション事業・不動産ソリューション事業・戸建住宅事業を展開する株式会社穴吹工務店様。47万戸以上の供給実績をもち、用地取得から企画・設計、施工、販売、管理・アフターサービスまでを一貫体制で本当に価値のある高品質な住まいづくりを進めています。
同社はマンション建設の施工管理や、図面および書類作成の進捗管理を行う目的でMy Redmineを導入し、本部による現場の業務把握を実現しました。My Redmineを採用した理由や導入後の効果について、同社建設業務部の松本卓也様、建設管理部建設サポート室の粟谷健司様に伺います。
(松本様)建設業務部では分譲マンションの新築施工において、施工管理職の業務改善や教育研修、工事の品質・原価管理などを行っています。全国各地で常時30〜40物件の施工が進むなか、施工管理職の残業時間過多が課題になっていました。建設業は2024年4月より36協定(サブロク協定)の新様式に移行する必要があり、定められた時間外労働の上限規制にも対応するために、本社や支店から、現場での問題点の抽出や業務の滞留の遠隔サポートを行う必要があったのです。
(粟谷様)建設管理部建設サポート室(以下、建設サポート室)では、新築工事における施工図の作図や、施工計画書や行政への届出といった各種書類の作成をサポートしています。建設業務部と同様に納期の遅延なく適切な品質で作業を進めるために、各担当者の作業進捗を建設サポート室で把握する必要がありました。
My Redmineの導入以前は別のコミュニケーションツールを使用し、建設業務部は現場の施工管理職、建設サポート室は図面や書類を作成する担当者とチャットをしたりファイル共有をしたりしていました。しかし、コミュニケーションは取れるものの、タスクごとのスケジュール管理や工数把握としては機能せず、プロジェクト管理ツール導入への検討を開始しました。
(松本様)「導入のしやすさ」「拡張性」「柔軟性」「費用」の4点が決め手になりました。
オンプレ型のプロジェクト管理ツールを使うという選択肢もありましたが、専用のサーバーを立てるには社内決済を得るうえでのハードルが高く断念しました。My Redmineはクラウドサービスのため導入しやすく、アップデートによる拡張性も期待できると判断しました。またカスタムフィールドの並べ替えができたり、権限の設定も簡単にできたりと、柔軟性が高いことも採用したポイントです。
最後に、クラウド型でサーバー管理のコストもかからず、十分な機能を有していながら、費用がリーズナブルだったことが決め手になり、My Redmineの採用を決定しました。
(松本様)マンションの新築施工は作業工程が非常に多く、どんな場合にチケットを発行すべきか最初に議論しました。その結果、「2人以上が関わり、1時間以上かかる作業」の場合はMy Redmineで管理するという大方針を定め、基本は現場の施工管理職が都度チケットを発行しています。例えば1つのフロアのなかで1つの工種ごとにチケットでタスクを管理していくという運用です。
(粟谷様)建設サポート室では、図面約30種類・書類約20種類、すべての作成をMy Redmineのチケットで管理しています。導入初期は現場任せにせず、チケットという概念への理解が浸透するまでは定期的に確認会を行い、建設業務部と建設サポート室、それぞれで必要に応じて入力業務をサポートすることで定着を促していきました。
(松本様)建設業務部では、まず4物件の大規模な新築施工でMy Redmineを活用しました。現場で作成されたチケットを本社や支社で確認し、締め切りに間に合っていない業務を見つけて必要に応じてサポートしていくことでスムーズな施工管理を実現できました。リマインド機能は、期日が迫っているチケットがメールで通知されるので、すぐにフォローができ、大変有用でした。また、施工の進行中にお客様のご要望で住戸の変更工事が生じる際は、営業担当者がお客様からの要望を該当するチケットに書き加えることですぐに情報を関係者と共有でき、見積りの作成もスムーズに行うことができました。
また、My Redmineで施工管理を続けていけば、新規の案件を進める際に、以前施工した類似規模の現場のチケットを参考にするなど、社内のナレッジとしても活用できると考えました。
(粟谷様)建設サポート室では、常時100近い施工図や書類の作成予定や締切りをMy Redmineで管理しています。離れた支社で作成する図面や書類のチケットも一貫して確認でき、個別のファイルを確認したり、メールでやり取りしたりする手間は一切なくなりました。また、複数の案件が同時に動いているなかでも、容易に管理できるようになり、作成の忘れや締切から遅れるといったミスもなくなりました。
(粟谷様)My Redmineで進捗管理を行うことで、従業員個人の業務量や工数を把握できるようになったことも大きな変化です。例えばその情報を分析することで今後は人事評価に反映させたり、入社年度ごとに弱点や強みを把握して育成方法の見直しをしたり、さまざまな可能性を感じているところです。
(松本様)建設業務部では、現場でもっと有効活用できるようにより良い運用フローを模索しているところです。
本記事の内容は2024年11月時点のものです。